2020.02.18 12:53人形浄瑠璃の勧進帳 この15日、国立劇場小劇場に文楽「鳴響安宅新関(なりひびくあたかのしんせき)」を聴きに行った。文楽を鑑賞することを意味する動詞は「聴く」か「見る」か。私の曾祖父は、いつも「人形浄瑠璃を聴く」と言っていた。それで、ついつい私も、「聴く」と書くが、若い人には、「見る」と表現する向きも多いようだ。これは、浄瑠璃語り、三味線弾き、人形遣いの3業の役割の受け止め方も関係するようだ。 そもそも歌舞伎演目には、人形浄瑠璃から移入されたものが多く、義太夫(浄瑠璃の一種で人形浄瑠璃で語られるもの)三大名作狂言とされる「義経千本桜」、「菅原伝授手習鑑」と「仮名手本忠臣蔵」は、いずれも初演後いち早く歌舞伎に導入されて大好評を博し、今なお歌舞伎の大人気演目になっている。その...