2024.09.23 15:00夏の終わり 先月26日夕刻、松本楼での会合に出席するため、日比谷公園に行った。若干時間に余裕があったので、水中に鶴の像が立つ雲形池の廻りのベンチに腰掛けた。明るかった西の空の色がどんどん薄くなっていく。日は短くなった。池にはトンボが5、6匹飛んでいた。赤トンボかと思ったが、小さい塩辛トンボだった。これで私はすぐに「秋津らはここに飛び来て夏寒き高嶺の雪にこごえ死にけり」という短歌を思い出した。秋津はトンボの古称。眼前の景色とは全く違うが、トンボを見ると、四十年以上前に秘書官事務取扱としてお仕えした熊谷太三郎先生のこの一首が、いつも脳裡に浮かぶ。三十年ほど前、私はこの一首から想を得て、加賀騒動の顛末を「秋津見恋之手鏡(あきづにみる・こいのてかがみ)」という文楽台本を...