参勤交代ルート

 今月25日、石川県人会連合会の全国大会が金沢で開催される。5年に一度のこの大会で、各地の県人会の旧知の方々や故郷の友人たちと旧交を温め、石川県と全国全世界の県人の一層の飛躍を期したい。また、10月21日には東京目白椿山荘で「いしかわ県人祭in東京」が予定されているので、さらに県人の結束を高めていきたい。

 そんな中、金沢美術工芸大学出身者による「東京けあき会」の会長で、石川県人会広報委員会副委員長の黒沢淳一さんが、10月に東京から金沢まで藩政期の参勤交代ルートを歩くという計画を進められている。江戸時代、このルートは下街道120里と言われ、参勤交代時には、12泊13日ほどで踏破したようだが、今般の黒沢氏のコースは510キロあまりと若干長く、これを約25日で歩く予定のようだ。途中、何日か休養の日が入る。

 このコースは、平成20年、石川県学生寮の常務理事を務められていた河崎肇さんが石川県学生寮創立50周年記念事業の一環として歩きぬかれている。この時は、河崎氏が「通し飛脚人」となり、あと多くの「繋ぎ飛脚人」が一定区間を一緒に歩いて、途中で休養日を入れながら25日を費やされており、その模様は、石川県学生寮創立50周年記念誌に、「飛脚人」たちの筆で記されている。今回の黒沢さんの行程も、8年前の河崎さんの経験を踏まえて決められたようだ。河崎さんも黒沢さんも極めて頑健な方であるが、このお二人をもってしても25日の旅程になる道を、江戸時代の先人は、その半分の時間で大規模な団体を組んで歩き通したのだから、その健脚ぶりは感嘆せざるを得ない。

 黒沢さん、どうか無理をしないで、疲れたらすぐリタイアしていただきたい。

 わが身の体力の無さにひきくらべる時、そう思わずにはいられないが、計画の完遂を心からお祈りしている。(2016年9月20日記)

石川県人 心の旅 by 石田寛人

石川県人会発行の月刊ニューズレター「石川県人会の絆」に2016年1月の創刊から連載中の記事をまとめたサイトです。

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