2018.09.19 14:40常陸坊海尊 前回の「四天王」で少し触れた常陸坊海尊について述べたい。海尊は、源平時代に源義経の下で活動した僧兵で、いはば、小型の武蔵坊弁慶といった感じの人物である。源平時代の加賀と能登で、この人の名前が語られるのは、2件あると思っている。 ひとつは、前号で述べた四天王の一人として「歌舞伎十八番勧進帳」に登場することである。その先行作にも顔を出す。「勧進帳」での海尊は、四天王の中の最長老といった趣で、義経に従うチームの主将弁慶につぐ副将格のように見え、他の若い3人が安宅の関所を踏み破るべしと花道から本舞台に出て行きそうになるのを、手を伸ばして止め、義経は強力(ごうりき)に変装して通行すべしとする弁慶の策を支持して冷静な行動をとっている。 いまひとつは、海尊が、「九...