2021.03.17 10:50葛の葉 前回ご紹介した展覧会「前田家の近代美術コレクション---前田利為・春雨に真珠をみた人」はこの21日に終了するが、多くの方に目黒区美術館を訪れて頂いた。前田育徳会関係者として、深く感謝している。その多くの展示品のうちで、今回は、上下二巻構成の永井幾麻筆「葛葉物語」について書きたい。 これは、狐の恩返しともいうべき「信田妻」の物語を巻物に描いたもので、永井幾麻の描いた絵を利為公が購入され、歌人の烏野幸次が詞書を、書家の尾上柴舟が清書をそれぞれ担当して1940年に絵巻物が完成した。このように利為公御自身の思いが巻物となった作品であり、新しいこともあって絵がとても美しい。この物語は、古来、文学や芸能でとり上げられてきたが、文楽や歌舞伎では「芦屋道満大内鑑(あ...