新型コロナウイルス

 新型コロナウイルスの感染が世界的に広まり、人々は対応に追われている。我が石川県人会も、3月16日に予定さていた理事会を中止し、3日から13日まで、事務所を閉じ、現在も事務所のオープン時間を11時から15時までと短縮している。県人会会員の皆様には、さまざまなご不便をおかけしているが、メール、電話、あるいは書簡の交換により、県人会活動をなるべく停滞させないように努力していきたい。

 私の関係するいくつかの団体でも、各種の会合やイベントを取り止めている。国全体の経済活動は収縮し、株価は暴落している。私自身に関しては、もちろんマスクを着用しているが、マスクした私の顔は恐いのか、人はあまり近づいてこない。石川・東京の行き来で通る空港のビルは人が少なく違った場所のように見える。妻の行きつけの美容院では、卒業式入学式の中止でキャンセルの電話ばかりとのことで、花屋には人影もない。こんな状態がいつまで続くか不明であるが、誰しも早くこの異常な状況から脱したい。しかし、今は、中国、韓国などが収まりをみせつつあると報じられるのに対して、イタリアやスペインなどヨーロッパ諸国や米国等ではかなりの感染者と死者が出ていて、WHO(世界保健機関)はパンデミックを宣言している。

 猖獗を極めるこの新型コロナウイルスを封じるために、我が国では、国も地方公共団体も国民全体も懸命に努力しており、各国も協力して力を尽くしている。これらの活動が功を奏して、国内と世界における一日も早い終息をひたすら念願するものである。

 私は、医学や医療については、全く素人であり、発信すべきものは何も持っていない。今や、我々は安全安心な社会を希求し、健康寿命、幸福寿命の延伸に最大限の努力を払いながら、まだまだ、地球上の病気とその感染の実態について知ることが少ないのを改めて痛感している。医学を含む科学のさらなる発展を願うとともに、その成果が広く人々に共有されるようになることを期待したい。

 このような状況の中、この6日に銀座一丁目の石川県アンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」がリニューアル・オープンした。私も役員を務める本田財団は、この店から極めて近いので、私はこれまでもよく訪れて、イートインの丼ものを楽しんできた。よって、リニューアルのための工事中は、いささか淋しく、再開業が待ち遠しかった。今度は、特に北陸新幹線の金沢開業にJR東日本の責任者の一人として尽力された原口宰さんが社長のJR東日本企画がこの店を運営するので、期待が膨らんだ。

 私も駆けつけたリニューアルオープンの式典は、ウイルス感染防止のため、控え目なものであったが、旧知の県庁職員の方々や石川県、金沢市、白山市の東京事務所の面々、県人会の窪田治男さん、高村秀雄さん、本田ゆり子さんにお目かかって和やかなひと時をもつことができたのは有り難かった。この日は風が強かったものの、澄んだ青空の好天気に恵まれたが、そんな天候とは真逆に、知事の挨拶にあったとおり社会経済的には土砂降りの中での門出であった。しかし、今後、新型コロナウイルスの制圧とともに、訪問客が激増して、石川県関係者が故郷を応援し、相互の親睦を深める場として、大きく発展していくものと思っている。(2020年3月20日記)

石川県人 心の旅 by 石田寛人

石川県人会発行の月刊ニューズレター「石川県人会の絆」に2016年1月の創刊から連載中の記事をまとめたサイトです。

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