ステイホーム

 新型コロナウイルスが猖獗を極めている。世界中に感染を拡げ、尊い人命を奪っていく。安倍首相はこの7日に緊急事態宣言を発令、東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・兵庫・福岡の7都府県が対象とされた。さらに16日には、緊急事態宣言の対象を全国に拡げることが決められ、我が石川県は、前述7都府県に6道府県を加えて13に達する特定警戒都道府県の中に指定されるなど、感染防止策を一段と強力に講ずべき事態となった。石川県にはクラスターがいくつかできていて、18日現在、173人が感染され、人口10万人あたりの感染者数は東京都に次ぐ状況で、4人の方が命を失われた。我が国全体で感染された方は1万人を超え、160人を超える方々が亡くなられた。逝去された方々には、ご冥福をお祈りし、感染して療養中の方々には、早い平癒を念願する。ともかく、密閉・密集・密着の3密を避け、不要不急の外出を止め、要請に従って営業を休止し、人と人との接触を8割減らして、感染を押さえこむことに全力を尽くしたい。この史上まれなるパンデミックに、21世紀の我が国民と人類は、粛々と堂々と立ち向かって打ち勝ったという足跡を歴史に刻みたいと思う。

 私は、大学の仕事のために小松に来ており、ずっとそのまま居ついて、東京に戻らないでいる。外出は、必要最小限にして、まさにStay home!で毎日を過ごしている。こんな時は、家の整理整頓を進めるか、沈思黙考の時間を持つか、読書三昧に徹するか、新しい芝居のストーリーを練り上げるかすればよいのだが、体温を計ったり、ニュースが気になったりして落ち着かず、なかなか思うに任せない。

 イギリスのウィルソン首相は新型コロナウイルスで入院中に数独をしていたと報じられたが、私も、紙を用いずスマホやパソコンの画面を睨んで数字を入れていくという方法で数独をやっている。私が解くような数独問題だからレベルは極めて低いのだが、ともかくこれによって動きの悪い頭を少しでも回転させることができる。数独だけではなく、時にネットの囲碁も試みる。こちらは、打とうと思うところにクリックできなかったりして、ハンドリングに結構苦労するが、相手の強弱の調整が可能であり、また、ハンディを手軽につける置き碁という方法もあるから、結構楽しめる。いずれにしても、対局相手がいない独り相撲ならぬ独りゲームではあるが、それなりに面白い。

 思い返せば、2月2日の県人会役員会の際、新田義孝専務理事が新型コロナウイルスにはこれで対処すると首に掛けた次亜塩素酸の容器を見せられたが、私もそれにならって同じような消毒液をプラスチックの小瓶に入れて昔の印籠のように腰にぶら下げ、頻繁に手指を消毒している。特にこの印籠風の小瓶が有力なのは、吊り革や取っ手に触れやすい電車の中ではないかと思っているが、このところ電車に乗る機会はなくなってしまった。どこであっても、新型コロナウイルスが黄門様の葵の御紋を見るように恐れ入って退散、消滅してくれればありがたいが、この見えざる敵には科学的な対応しかない。

 私達は、外出をひかえ、石鹸などでの手洗いを徹底し、マスク着用で唾液の飛散を押さえて、銘々の努力の集積で新型コロナウイルスの猛威を克服したい。この事態が収まって、我が県人会も通常の活動を再開できる日が早く来ることをひたすら念願している。                                   (2020年4月20日記)

石川県人 心の旅 by 石田寛人

石川県人会発行の月刊ニューズレター「石川県人会の絆」に2016年1月の創刊から連載中の記事をまとめたサイトです。

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