徳川家前田家諸大名家

29年10月  

 9月30日、前に本欄で御紹介した藩校サミットが開催され、徳川宗家御当主の徳川恒孝氏御夫妻、前田利祐当会名誉会長御夫妻をはじめ、将軍家と30藩の藩主後裔の方々が金沢に集われた。この方々に、各藩校の関係者、地元の多数の出席者が加わったサミット大会は、石川県立音楽堂邦楽ホールで開催された。主催者と開催地代表山野金沢市長の挨拶の後、本康宏史金沢星稜大学教授が「加賀藩の藩校と前田家」と題する講演を行い、各藩主の紹介と徳川恒孝氏の御挨拶があり、徳川、前田両家御当主と東大の山本博文史料編纂所教授の絶妙の鼎談が行われた。さらに、子ども論語発表、子どもはしご登り、加賀宝生子ども塾の「土蜘」演能、大野町の獅子舞の披露があり、金沢宣言が採択されたのち、次期開催地舞鶴市に引継書が渡され、大会は納めとなった。夕方、ホテルに移動して、交流会が開かれ、相互の親睦を深め合って、翌日は金沢市内のエクスカーションを行った。実行委員長の役にありながら、たいした働きができなかった私として、事務を担当して大活躍された金沢市のみなさんをはじめ、いろいろお世話になった石川県庁、金沢大学や各大学、関係諸企業、諸団体に対して、厚く厚く御礼申し上げる。

 さて、10月、11月は文化行事が続くが、県人会関係では、明日20日に東京目白の椿山荘で約1000人の県人や関係者が一堂に会する「いしかわ県人祭in東京」が行われる。県人祭は、今年は10回目の節目の開催となるので、それにふさわしい内容にしようと、こちらの方も実行委員長を仰せつかっている私は、心に期している。

 そのほか、ここ一、二ヶ月の間に、前田家と宇喜多家の長い交流の故地を訪ねる八丈島訪問、ダム建設と灌漑で台湾南西部を米作地帯に替えた石川出身の土木技術者八田與一氏の事績を偲び、かの地の石川県人会と交流を図る台湾旅行なども計画されている。ふるさと会が次々に開かれ、各種行事も企画されているこの秋が、さらに県人の結束を強め、故郷に対する応援の声を高める時となることを期待したい。(2017年10月19日記)

石川県人 心の旅 by 石田寛人

石川県人会発行の月刊ニューズレター「石川県人会の絆」に2016年1月の創刊から連載中の記事をまとめたサイトです。

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