2026.02.26 15:00八重洲口 東京駅は丸の内口が正面である。今や3階建てに復元された赤レンガ造りの駅舎がまばゆく建っている丸の内口の光景は、まさに首都の玄関口にふさわしい。私は、金沢・小松に帰るべく北陸新幹線に乗車するため、あるいは非常勤ながら役員を勤める本田財団のオフィスに行くために、頻繁に東京駅を通るが、このところ丸の内口に出ることは少なくなり、八重洲口方面の行き来に終始している。 八重洲口は、丸の内口同様に、立派に整備され、前からある大丸デパートや新しい東京ミッドタウン八重洲をはじめ高層建築が建ち並んで、商業ビジネス地区として殷賑を極めている。石川県アンテナショップ八重洲いしかわテラスも八重洲口から東に延びる八重洲通りの好位置にあって人気を博している。 感慨深いのは、「八重...
2026.01.24 21:00特別展「百万石!加賀前田家」報道発表会 新年おめでとうございます。旧年中は、いろいろお世話になり、本当にありがとうございました。2年前の能登半島地震からの復興は懸命に進められていますが、更なる加速が期待されます。石川県人会としては、そのために力を尽くし、故郷石川の応援団として、また、私ども相互の親睦交流を深め、研鑽を重ねる組織として、努力して参りたいと存じます。本年も、どうかよろしくお願い申し上げます。 加賀前田家に伝わる美術工芸品、古文書、甲冑類を維持・管理・展観する公益財団法人前田育徳会は.今年の2月26日に満百年の創立日を迎える。これを記念して収蔵品を多くの方々にご高覧頂く構想について、関係各方面といろいろご相談してきたところ、今年の4月14日(月)から6月7日(日)の間、上野の東京...
2025.12.24 15:00ニューヨークでのハーモニー 11月19日から26日まで足かけ8日間、ニューヨーク(NY)に出かけてきた。かの地で金沢のカルチャースクール石心の席主佃優子さんを中心とするグループが Harmony of Japanと題するイベントを開催して、石川県と日本文化の紹介を行ったのに同行したのである。正確には、このイベントは日本棋院石心支部の主催で、日本将棋連盟駒みらい支部が協力、後援には石川県、石川県囲碁協会、日本将棋連盟石川県支部連合会に、石川県人会も加わり、在ニューヨーク総領事館のアドバイスを頂きながら進めたものである。石川県内の多くの企業、団体そして個人の方々から、格別の支援と協賛を頂いたので、このNY開催が可能になった。 イベントの内容は、石川県の紹介、囲碁将棋のワークショップ...
2025.11.27 15:00アマミノクロウサギ 先日、日経サイエンス2025年11月号を読んでいたら、ある記事に目がとまった。「アマミノクロウサギはゆっくり成長」と題する調査報告の紹介である。奄美群島に棲息する毛が長くて黒く、耳が短いアマミノクロウサギの成長に関する報告で、大略次のような内容であった。 アマミノクロウサギは一般のノウサギに比べて、5倍の時間をかけて成長し、寿命は4倍に達することが明らかになった。このウサギは、捕食者が少ない島の環境で、ゆっくり成長し、長生きすることが確認された。通常のウサギは毎年数匹の子を産むのに対して、アマミノクロウサギは年に一匹しか子を産まない。動物が大陸から離れた島において、その環境に適応して、体や生態が進化することは、「島嶼化」と呼ばれる。島嶼化の例としては...
2025.10.27 15:009月の熱気と10月の黒コート 9月は、残暑が厳しかったが、県人会活動も暑さに負けないほど盛り上がった。 19日、東京熊本県人会と共催で、「熊本・石川復興支援チャリティ・コンサートin東京」を四谷区民ホールで開催して、多くの県人の参加を頂いたことがまず挙げられる。これは、本ニューズレター9月号で詳しく報告されたとおり、石川県と熊本県出身を中心とした14人のアーティストによってさまざまな曲がさまざまな楽器で演奏されたコンサートで、聴衆を堪能させた。これは、従来東京熊本県人会が熊本県の地震災害へのチャリティー活動として行ってきていて、昨年は能登半島地震被害に対して義捐金を頂いた。今年は、石川県人会も共催に誘って頂いたもので、守田事務局長をはじめとする東京熊本県人会の皆様には、心から御礼...
2025.09.27 15:00応挙と若冲 盆過ぎの日曜日、大阪中之島美術館で開催中の「日本美術の鉱脈展」を見た。文藝春秋の7月号で、辻惟雄・山下裕二両美術史大家による『新発見若冲と応挙の「合作」ミステリー』と題する対談を読んで感ずるところがあったからだ。この対談は、円山応挙と伊藤若冲が別々に描いた合作と考えられる二隻の屏風が新しく見つかったことを報じつつ、これを機会に我が国にまだ人知れず眠っている絵画と絵師の系譜を探る試みの展覧会が、「鉱脈展」という名の許に山下先生の監修で開催されていることをも紹介したものだった。 若冲と応挙には、格別の思いがある。若冲については、2016年の春、東京都美術館での生誕300年記念展覧会に、雨の中、長蛇の列をついて風邪をひきそうになりつつやっと入場したところ、...
2025.08.27 15:00映画「国宝」を楽しむ 7月28日、妻と二人で家の近くの府中TOHOシネマズに行き、かねて話題の映画「国宝」を見た。上映時間は175分と聞いたので、妻も私も、その日は水分を控え目にして映画館に行ったが、映写が始ると、時の経つのを忘れてスクリーンに惹きつけられた。 この映画は、任侠の子として生まれた立花喜久雄が主人公である。任侠同士の抗争で父を失ったその時の会合の余興で演じられた歌舞伎舞踊劇「積恋雪関扉(つもるこい・ゆきのせきのと)」で、喜久雄の演技の素晴らしさに、大坂の歌舞伎俳優二代目花井半二郎が驚くのが、この物語の発端である。喜久雄のたぐいまれな才能を見抜いた花井半二郎は、彼を自分の部屋子として引き取り、実子の大垣俊介をともに、厳しい歌舞伎の訓練を続けて鍛え上げる。喜久雄...
2025.07.29 15:00無念無想の吹き矢 この4月に大学の同級生仲間で会食したが、最近、こんな機会は、大体健康と病気のことが話の大半を占める。そこで、日本原子力研究開発機構の理事長を務めた斎藤伸三氏が、最近「吹き矢」に打ち込んでいると話してくれた。「吹き矢」は、とても健康によいというのだ。ネットによれば、「吹き矢」はスポーツであるとともに、ウェルネスでもあるとされていて、「日本スポーツウエルネス吹矢協会」という一般社団法人が組織されている。「吹き矢」は文字通りに矢を吹いて的に当てる競技であるが、協会のホームページには、「礼をする・構える・筒を上げる・息を吐く・息を吸う・吹く・息を整える・礼をする」という順序で「吹き矢」を行うとされている。的の大きさ、高さ、的までの距離も場合に応じて決められて...
2025.06.29 15:00横綱大の里誕生 大関大の里関が、五月場所で14勝1敗の好成績で優勝して、2場所連続優勝を果たし、横綱に推挙された。まさに私どもの願ったことが叶えられ、県人としてこの上ない慶びである。場所中の13日目の5月23日に13戦全勝となって優勝が決定し、25日の千秋楽で賜杯を抱くと、26日には横綱審議会が満場一致で横綱推挙を決定、28日には七月場所の番付編成会議と理事会で横綱昇進が正式決定され、30日には明治神宮で横綱推挙状授与式が行われて、八角理事長から横綱推挙状が渡され、雲龍型で土俵入りが神前で奉納された。テレビに食い入るようにして、雲龍型の奉納土俵入りを見たが、師匠の元稀勢の里二所ノ関親方の指導の賜物か、誠にひきしまった立派な挙措であった。 かくして誕生した石川県出身の...
2025.05.27 15:00画家ルソー 私がアンリ・ルソーという名の画家を意識しだしたのは、米大使館に勤務中、ニューヨークでの休みの日に、元東大総長の林健太郎参議院議員のお供で近代美術館を訪れた時であった。その際、ゴッホの「星月夜」の近くにあったルソーの作品を見て、面白い絵を描く画家だなあと思っただけだったが、あれから40年。前田育徳会の役員として、美術の勉強をしなければならないと、ネットで「山田五郎の教養教室」を聴き続けたところ、ルソーに関する五郎さんの説明が素晴らしく面白く、すっかりこの画家の魅力にとりつかれてしまった。 そんな折しも、日本経済新聞の日曜日の文化の頁で4月20日と27日の両日にわたって、ルソーの特集があったので、記事を読みふけった。その中で、ルソーに大きな影響を受けた我...
2025.04.27 15:00大の里とレスリング姉妹と新田さん 大相撲の三月場所で郷土出身の大関大の里が12勝3敗で見事優勝した。優勝決定戦の相手だった高安の健闘も素晴しく、二人優勝を願う思いすら胸中をかすめたが、やはり、郷土力士の優勝はこの上なく嬉しい。これで大の里の幕内最高優勝は3度目であるが、今回は大関での初めての優勝であり、次の場所で優勝すれば、横綱推挙が期待される。これからも、さらに稽古に励み、五月場所で朗報がもたらされることを祈りたい。 大の里は青色のマワシが爽やかである。そして、爽やかさは、マワシだけではなく、評論家の堀井憲一郎氏が書いておられるように、勝負のあとの表情にも見られて、それが何とも言えない。勝ってもその喜びをそれほど顔に出さないし、負けても過度に悔しい様子を見せない。一般的に、勝利の嬉...
2025.03.26 15:00本郷邸の埋蔵文化財 3月9日の日曜日、東京大学大学院人文社会系研究科と東京大学文学部が主催して「東大にねむる加賀藩本郷邸と江戸の宴」と題するシンポジウムが東大本郷キャンパス国際学術研究棟で開かれた。東大側の招きに応じて、前田利祐第18代前田家御当主石川県人会名誉会長が参加され、私もお供をした。 このシンポジウムの関係では、我が石川県人会は、昨年、事業委員会の企画「東京大学本郷地区埋蔵文化財キャンパスツアー」で、東大を訪問して、担当の堀内秀雄教授からいろいろお話をお伺した。今年はその続きとして、駒場リサーチキャンパスを訪問する計画が進んだ。実は、東大の埋蔵文化財調査室の建物は駒場にあって、そこに出土品が保存されている。そこで、その現場で出土品を見せて頂くことになった。 か...